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石井桃子さんが作る花唐草の器の魅力

今回、ご紹介する陶芸作家さんは「石井桃子(いしいももこ)」さんです。
現在、愛媛県松山市にて作陶されている女性作家さんで、主に絵付けの器を作られています。

愛媛県で焼き物といえば「砥部焼(とべやき)」が有名です(^―^)
この砥部焼というのは、簡単に説明しますと、丈夫で厚めの磁器の器に、呉須(ごす)と呼ばれる藍色の顔料を用いて唐草模様などを描く、手描きのデザインが特徴の伝統的な焼き物なのです。

石井桃子さんは、磁器ではなく陶器の器に絵付けをされていますが、この砥部焼の伝統的な絵付けの技法を用いながら、モダンなテイストも取り入れた素敵な器を作陶されているのですよ(^―^)

 

石井桃子さんの器

石井桃子さんの器

石井桃子さんの代表作である「花唐草(はなからくさ)」の文様の器。
この花唐草模様が石井桃子さんの魅力のひとつでもあります(^―^)
花唐草の文様といえば、古典的な「古伊万里」を想像される方も多いかもしれないですが、石井桃子さんの花唐草は、どこか「曲線と植物などをモチーフにした装飾デザイン」であるアールヌーヴォー様式のような、おしゃれな西洋の装飾デザインの雰囲気が漂っています。

「懐かしいようで、新しい器」そんなイメージがぴったりな器なんですよ。
和と洋のレトロな雰囲気が、うまく溶け込んだ素敵な作品だなと、石井桃子さんの器を眺める度に思ってしまいます。

 

石井桃子さんの「花唐草5寸皿」

石井桃子さんの「花唐草5寸皿」

石井桃子さんの器の魅力を説明するのに一番わかりやすいのではないかなと思うのが、この「花唐草5寸皿」。
ほんのりグレーがかった色味をベースに、藍色の「花唐草」の絵付け装飾があります。
日本の伝統的な器にも見える反面、西洋アンティークのような器の雰囲気も兼ね備えている魅力的な器ですよね。
このレトロ感に引き込まれてしまう、うつわ好きの方も多いと思います。
見ていて飽きの来ないかわいさがありますよね(^―^)

 

石井桃子さんの花唐草文様

石井桃子さんの花唐草文様

ラフな感じで描かれた石井桃子さんの花唐草文様。
ご本人が、ひとつひとつ手作業で描いていらっしゃるのですが、丁寧で緻密な作業ですよね。
決まった図案のないデザインは、本来かなりセンスが問われるのですが、途切れそうなほど細い曲線と力強い曲線を使った抑揚、花の模様のバランス、余白の使い方…すごくバランスのいい感覚をお持ちの作家さんだと思います。

さらに器をよく見るとわかるのですが「細かいひび(貫入)」と「小さな黒い点(鉄点)」をアクセントにしていて、より自然な風合いを出しています。
一枚の器に、かなりのこだわりが詰められているのがわかります。

 

石井桃子さんの高台部分のデザイン

石井桃子さんの高台部分のデザイン

石井桃子さんの器を楽しむポイントは、裏の高台部分にもあります。
高台の縁にも、細かく藍色の絵付けのデザインがされているのですよ(^―^)
さらに器の種類によって、ラインのデザインだったり、幾何学模様のデザインだったり、全て模様が違うのです。
はじめてこの器に出会った時は、かなり興奮してしまいました。
普段は見えない裏面まで、丁寧に仕上げられていて、石井桃子さんのお人柄が伝わりますよね。

 

石井桃子さんの愛媛の工房

石井桃子さんの愛媛の工房

器の取材に石井桃子さんの工房に伺わせてもらった際に、撮影した一枚。
工房ではギャラリー(不定休)もありまして、器の展示されています。
レトロでかわいい雰囲気が漂うギャラリーで、その世界感が魅力的でした(^―^)
器のことも興味が尽きず、近くなら通いたいくらいで(笑)

はるばる京都から愛媛まで取材に行ってよかったなとしみじみ思う取材でした。

和食器セレクトショップflatto(フラット)では、2018年2月末からお取り扱いが始まる予定ですが、また随時、石井桃子さんの作品の魅力にも触れていきますね(^―^)

石井桃子さんの器ラインナップ